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文化祭当日。
演目が進む中、ついに僕たちの劇が始まった。
まずは幸也がスポットライトを浴びて演技をする。
「やっぱり前生徒会長ということもあって皆食いついてるねー」
そんな話をメンバー同士でする。
僕も舞台袖から様子を伺うと、たしかに観客はその姿に見惚れているようだ。
そして僕だって。
彼の演技に心を奪われた。
同時に、その姿を見て彼を支えたいという気持ちも強くなっていった。
「会長、出番ですよ」
その時、一緒に様子を伺っていた副会長が僕の肩をたたく。
それから舞台を指さした。
「あ、うん。それじゃあ……」
ごくりと緊張のつばを飲み込むと、覚悟を決めて歩き出した。
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