◇◇村上健司◇◇ 対峙

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廊下には四つの扉があった。間取りとしては4LDKってことだ。 「どの扉か、わかる?」 「……わからない」 「じゃあ順番に開けていくか」 「わ! わたしが先に入るね!」 「はいはい」  ここでもその主張だ。月城は一番近くにあった扉を開け、素早く中に入って扉を閉めた。俺は廊下で待っている。 「ええーっ」  中から驚愕(きょうがく)と悲鳴が入り混じったような声が聞こえる。 「月城?」  返事がない。 「入るぞ」 「……うん」  かすかにそう聞こえた。  俺は扉を開けて中に入り、息を飲んだ。  そこは両親の寝室のようだ。シングルベッドが二つ置かれ、その足元にタンスが二つ並んでいる。 ひとつは七段の引き出しだけのタンス。 もうひとつは上が大きなスペースの観音開(かんのんびら)き、下が一段だけ引き出しになっているタンスだ。
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