◇◇村上健司◇◇ 対峙

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「まだ俺のことを思い出さないのはわかる。でも同級生だったって理解はしてくれたんだろ? だったらこういうプライベートの時には、副社長はやめてくれない? 仲良かったんだよ、俺たち結構。村上、って呼んでた、俺のこと」 「さすがにそれは……」 「頼むって」 「じゃあ、村上さんで」 「せめて村上くんにして」 「あの……。で、こんな時間まで付き合ってもらうの、申し訳ないから、もう帰っても……大丈夫、だよ? 実家近いならそこに泊まれるでしょ?」 「月城は?」 「わたしは、まだ自分の部屋とか調べたい」 「でも、ここじゃ寝れないだろ? 布団なんて十二年使ってないんだぞ? めっちゃ虫いそうじゃん。」 「……虫?」 「そう。ダニとか。あと部屋に絶対にいるのがGのつくやつな」 「…………」 「そんじゃあ、あと頑張れよ」
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