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「ちょっと待ってて。たぶんちょっと」
「了解」
めちゃくちゃ汚れていたら恥ずかしい。今の自分の部屋から想像するに、そこまではすごいことにはなってないと……。
「えー……入って。村上くん」
「おう」
めちゃくちゃではないけど、明らかに探し物をされた形跡がある。要はママたちの部屋と同じだ。
「このベッドのマットレスのずれ具合といい、似てるな。両親の部屋と」
「うん」
部屋にある家具は、机、本棚、ベッドのみだ。部屋は大きくない。
カビ臭い空気に混じって強烈に押し寄せる懐かしい匂いに、胸が苦しくなる。ここは、間違いなくわたしの部屋だ。
机の引き出しを開けてみる。
いじられたのか最初からこうだったのか、整理されてはいないけれど、荒らされたというほどでもない。
パパとママの部屋ほど力を入れて探していないんだろう。
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