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やってらんない、と悲嘆の言葉を口にするたび、村上くんがわかりやすく同情する。
わたしの言動への注意が急激に弱くなる。こんな時なのに、いやこんな時だからこそ、心が温まる。
でも実際、正当な仕事とその後の不当な闇業務で二十時間くらいは働きっぱなし、そのうえ空きっ腹に日本酒のワンカップを二杯も飲んだわたしは、急激に意識が薄らいでいくのを感じた。
「月城!」
今までめちゃくちゃに気を張っていた事を今さら理解する。
気が抜けた。
気を抜いても大丈夫だと、脳がOKサインを出しているように感じる。
「まじかよ。こんなところで寝るなってー。Gが出ても知らねえぞ」
「……それは村上くんが……どうにかして」
意識がフェードアウトしていくのがわかる。
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