◇◇月城一颯◇◇ 覚醒

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「ちょっと待って」 「ふぇ?」  そこでやっと目を覚ましたらしい女の子が〝意味不明〟を表す声を上げる。 「お(にい)、これ、どゆことなの?」 「いや、これには深いわけが」 わたしのドアノブを掴む手が止まった。 お兄? 「やだ! お(にい)お持ち帰りなんて最低なことしないよね? 彼女なの?」 「いや、まだ彼女じゃ……」 「まだ?」 「……い、いや」 わたしは、珍しくしどろもどろになっている村上くんと、超絶に可愛い女の子を見比べた。 兄妹にしては似ているところがない。 スタイリッシュと荒々しさが共存する、ちょっと(まれ)な雰囲気を持つ村上くんに対して、この少女はバービー人形のように、どこまでも可愛らしい。 「え、妹さん? 彼女かと……」
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