◇◇月城一颯◇◇ 覚醒

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 こんな形で再会するのなら、二度と会えない方がマシだった。 わたしには、もう自由な恋愛など許されない。 それ以前に、彼にとって、自分の宝とも言えるCanalsを危機に陥れたわたしの事など、もうそんな対象ではないに違いない。 「変わってないね……」  日記をくまなく読み、ほぼ全ての記憶を取り戻したわたしは、ただただ涙にくれる。  そして、日記帳の裏表紙の透明カバーの間に挟んである鍵を取り出し、握りしめた。チェーンで繋がれたこの鍵は、日記帳を閉じた状態では見えない。 この鍵が、この日記帳の鍵ではないことも、わたしは思い出していた。  どのくらいの時間が経ったのだろう。 「月城……」  わたしの頬が、熱いぬくもりによって擦られる。
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