◇◇村上健司◇◇ 約束

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 「でもチューブのにんにくとか生姜とか、調味料も結構そろってるね。休みの日はやったりする?」 「たまーーにな」 「待ってて。すぐ作る。エプロンってあるの?」 「悪い。ありません」 「了解。別に平気。あ! 土鍋はあるんだ」  月城はキッキンカウンターの下から土鍋を出すとゆすいで水を張り、それをIHコンロの上にセット、そして腕捲りをして手を洗い始める。  それからネギや椎茸、ニラ、水菜、トマト、を包丁で捌いていく。そのスピードが料理屋か! ってくらいリズミカルで速かった。 鍋の湯を沸かしている間に、ちゃっちゃと鶏団子のタネを作り、チゲ鍋スープの調味料を目分量で合わせる。  感心するくらい手際がいい。 もう長いこと日常的に料理をやってきたに違いない。 「持っていくよー。お椀と取り皿とお箸、出してくれる? あ、鍋敷あったほうがいいでしょ? ある?」  月城は両手にミトンをはめ、土鍋の取手部分に手をかけるところだった。 「いいよ。それ重いだろ? 俺が持ってく」
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