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「でもチューブのにんにくとか生姜とか、調味料も結構そろってるね。休みの日はやったりする?」
「たまーーにな」
「待ってて。すぐ作る。エプロンってあるの?」
「悪い。ありません」
「了解。別に平気。あ! 土鍋はあるんだ」
月城はキッキンカウンターの下から土鍋を出すとゆすいで水を張り、それをIHコンロの上にセット、そして腕捲りをして手を洗い始める。
それからネギや椎茸、ニラ、水菜、トマト、を包丁で捌いていく。そのスピードが料理屋か! ってくらいリズミカルで速かった。
鍋の湯を沸かしている間に、ちゃっちゃと鶏団子のタネを作り、チゲ鍋スープの調味料を目分量で合わせる。
感心するくらい手際がいい。
もう長いこと日常的に料理をやってきたに違いない。
「持っていくよー。お椀と取り皿とお箸、出してくれる? あ、鍋敷あったほうがいいでしょ? ある?」
月城は両手にミトンをはめ、土鍋の取手部分に手をかけるところだった。
「いいよ。それ重いだろ? 俺が持ってく」
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