◇◇村上健司◇◇ 約束

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 だけどどうしてもその〝叔父さん〟って野郎をぶっ飛ばしたい気持ちがむくむくと湧く。冷静になれ。 実際、月城が中二から育ててもらった過去を、なかった事にはできないのだ。 「全部、頼ってほしいよ。だけどまだそんな気にはなれないと思う。でもこれだけは教えてほしい。どうしてCanalsを狙った? 叔父さんになんて言われたんだ?」 「それだけは……ちゃんと話さなきゃね」 「できれば、詳しく聞いてもいいか? これは俺だけの問題じゃない。Canalsの存続に関わることだ。叔父さんの家に引き取られてから、Canalsの情報を流出させようとした経緯まで」  月城は少しの間、俯いて黙り込んでいた。 「そうだね。村上くんが、わたしの記憶の扉を開いてくれたんだもんね」 「思い出したなら、昔と同じように〝村上〟って呼んでほしい」 「うー……。ハードル高い」 「二人でいる時は同級生だよ。力になりたいのが本音なんだよ」 「……ありがとう」 月城は、しばらく膝に視線を落とし、何から話そうかと頭の中で整理しているように見えた。  その後、ぽつぽつと話し始める。    引き取られた叔父さんとは、月城の父親の弟で、中堅の会社を経営する事業者、オーナー社長だから資産はある人らしい。
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