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ベッドに寝かせて、ついでにスマホまでちゃんと充電してくれている。
夕凪ちゃんがわたしを運べるわけはないから、わたしを背負ったのは村上くんだ。もう顔から火が出そうだ。
恐る恐る部屋の中を見渡してみて、どうにか少しだけ動悸がおさまる。
ピカピカに整理整頓されているわけでもないけど、人様に見られてそこまで引かれるような惨状ではない。
新しく越してきたここは、かなり広いタイプのワンルームで、わたしと二葉、ベッドが二つと小さなローテーブルがある。
もっとも、ものも少なくてそこまで散らかりようがないとも言える。
前の部屋よりずいぶん広くなったのに、借り上げ社宅は安い。
今は入院中の二葉のベッドじゃなく、ちゃんとわたしのベッドに寝かせられていた。
わたしのベッドの上部のちょっとした棚には、村上くんが実家から持ち帰ってくれたらしい家族写真が飾られている。
後日そっと渡された写真は、あの時の割れた写真たてから移されて、新しい白塗りの額に入っていた。
普段のエネルギッシュなイメージからは想像しにくいけど、ここぞという時は繊細だし、何より昔と変わらずに優しい。
だからあんなに部下に慕われるのだ。
「再会したくなかった」
わたしは朝からちょっと泣いた。
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