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そしてなんと今日、月城は動くことが前提のスポーティーな格好で、今俺がきているものと同じダウンジャケットを羽織っている。
「うわー。俺のストーカーの賜物―! どうやって探ったんだよ」
「スーツじゃない日はこればっかり着て出社してるから、リサーチは超簡単だった。休日もほぼこれ一択」
「あーそうですか!」
悪かったな。服への関心が薄れつつあるんだよ。
いいもの買って長く着る歳になったんだよ。
月城は、普通の懐中電灯の他、頭につける探検用のヘッドライトまで調達している。
薄いナイロンの大きなバッグが破裂しそうなほど膨らんでいるから、何を入れたんだ? と聞いたら、着替え以外はほぼバスタオルだとの返事が戻ってくる。
「日本酒とか用意してんじゃないだろうな?」
「それは村上くんが持ってきてくれるかと」
「誰が持ってくるか! 今日はコーヒーだコーヒー!」
車に乗り込んでハンドルを握り、視界五メートルの中、そんな会話ができるほど俺は浮かれていたかもしれない。
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