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そして月城の方もテンションが高い。実家に行かれることが嬉しいらしい。
「今日はね、めっちゃ進展するよ。わたしいろいろ思い出したから! あと、急展開間違いなしの秘密兵器持ってきた」
「何?」
「内緒。行ってのお楽しみ!」
「遠足かよ」
まあいいよ。
月城が楽しそうだから。
車は目の前じゃなく、少し離れた場所に停める。二人とも一番大きい傘を持ってきたけど、それでも二分の道のりの間にだいぶ濡れてしまった。
「村上くん」
「え?」
月城の実家に到着し、俺がこの間と同じように小さい庭に面したリビングに回ろうとしたら、呼び止められた。
「予備の鍵があるところ、思い出したの。ママは働いてたんだけど、わたしも二葉も鍵を忘れることがたまにあってさ。そういう時にも家に入れるように、って」
「ああ、よくあるよな」
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