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「そう、親が渡してくれてて、もし見つけてもここにつけとけば日記帳の鍵だと思われるかな、って子供の頃のわたしは考えたんだよね」
「ナイスじゃん!」
「でしょ?」
タンスの抽斗の鍵が何本あったのかはわからないけど、子供に持たせていたとは普通は思わないんじゃないかな。
あの日記だって鍵付きだと一目でわかるものだから、鍵がかかっているものだろうと思い込む。
小学生の日記なんて泥棒は興味もないと思った。叔父さんが家探しして、もし見つけていたとしても、そのままにしたんだろうな。
わたしは膝をついてタンスの観音開きを開け、抽斗の鍵穴に鍵を差し込む。一気に回してから抽斗を引っ張る。
「開いた! うわ! ここもビンゴじゃない? 今日、めっちゃ幸先いいよ」
中には書類や、おそらく生命保険の証書が入っている立派な冊子が積み重なっていた。
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