◇◇月城一颯◇◇ 感極

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 「ほんとだな! なんか入れるもん、持ってきた?」  すぐ隣に同じように膝をついた村上くんが、弾んだ声を上げる。 「うん、これこれ」  わたしは自立する形にトートバッグを開いた。  そこでわたしのスマホが振動した。ストラップでかけていて、表面が外側を向いていた。 「品川洋太?」  わたしより先に、腰あたりにあるスマホ画面に反応したのは村上くんだ。 「あ……」 「なんでそいつから電話がかかってくんの?」 「違う! これはねーー」  わたしは反射的にスマホを持ち上げたけれど、今、電話に出ることはできない。  そうこうしているうちに電話はきれ、ラインのメッセージが入ってくる。 〝あれから一颯ちゃんから三日間も毎日電話――〝 〝Canalsに行った甲斐あったな〟 〝いつでもいいからまた連絡――〟 
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