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「ほんとだな! なんか入れるもん、持ってきた?」
すぐ隣に同じように膝をついた村上くんが、弾んだ声を上げる。
「うん、これこれ」
わたしは自立する形にトートバッグを開いた。
そこでわたしのスマホが振動した。ストラップでかけていて、表面が外側を向いていた。
「品川洋太?」
わたしより先に、腰あたりにあるスマホ画面に反応したのは村上くんだ。
「あ……」
「なんでそいつから電話がかかってくんの?」
「違う! これはねーー」
わたしは反射的にスマホを持ち上げたけれど、今、電話に出ることはできない。
そうこうしているうちに電話はきれ、ラインのメッセージが入ってくる。
〝あれから一颯ちゃんから三日間も毎日電話――〝
〝Canalsに行った甲斐あったな〟
〝いつでもいいからまた連絡――〟
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