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「村上さん、プライベートの方の電話番号にかけてくれて助かりました。ありがとうございます。察してくれたんだと思いますけど、副業してるんです。副業、本当はダメな会社なので、転職する予定なんですけどね。だから必要だったのは、どっちかといえば副業の方の名刺なんです」
「マジですか?」
だって電報堂で、しかもこの若さでチーフ。相当に仕事ができるだろうし、年収だって高いはずだ。
「あ、名刺の会社名に反応しましたね?」
月城はいたずらっぽい笑顔を見せた。
「そりゃ……。俺も一応、似たような仕事内容の部署で働いてるんです。あ、もちろん電報堂みたいな巨大企業じゃないですよ? 自分たちで立ち上げたベンチャーで。今、デジタルツールで会社全体の効率をあげたくて。ゆくゆくはAIも駆使したいし。絶賛勉強中なんです」
「わー。わたし、わりと得意分野かも」
「マジっすか」
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