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ミケとチャピ、それぞれを両手で撫でる一颯。
笑顔の一颯。
この光景が日常になり、ミケとチャピにとって一颯が〝お客さん〟じゃなくなる日が一日でも早く訪れてくれますように……と願う。
充分すぎるくらい幸せなひと時なのに、キスどころかいちゃいちゃすることもなし、ましてやセックスなんてもっての他で、辛くないといえば大嘘になる。
でも、一颯の気持ちを尊重する事が、何よりも大事だ。
夜遅く、車で一颯を会社の借り上げ社宅まで送る。
一刻の別れ。品川との事案に終止符を打つまでは、恋人として会う事はしない、と思い定める。
必ず俺の腕に取り戻すと決めているのに、借り上げのマンションに入っていくその背が離れていくのと比例して、不安は募っていった。
月曜日から、一颯は大阪に出張だ。
オフィスにいても数日は一颯の姿が見られない。
でも、一颯の心は俺のものだ。俺だけのものだ。
苦しいくらい……君が好きだよ。
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