◇◇村上健司◇◇ 悔恨

13/28
前へ
/387ページ
次へ
テーブルの上にはコーヒーのみ。俺もドリンクバーでコーヒーを取ってテーブルに戻る。 「洋太さん、こんな時間に何をしてたんですか?」 「あなたと話がしたかったんです」 探偵か何かを雇って俺の住所を割り出したのか。 これなら引っ越した一颯の住所もすでに知れている可能性が高い。 予想はしていた。 だから夜遅い帰宅のビジネスマンが多く、人通りが遅くまで絶えない場所を選んだけれど心配だ。 「なんなんですか? いきなり」 「一颯ちゃんに対して、ずいぶん強引なことをするんですね。あの人が百パーセントの気持ちであなたに応えたとは考えにくい、と思ってます」 「……いつから俺らを見張ってたんですか?」 「ここについて、しばらくあなたの部屋あたりを見ていたら、一颯ちゃんと二人で出てきた。二人でスーパーに行って食材らしいものを買って部屋に戻りましたよね。一颯ちゃんは料理が上手いから」 「それってストーカー行為ですよ」
/387ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1368人が本棚に入れています
本棚に追加