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自分たち姉妹を引き取ってくれたことに絶大なる感謝と共に、巨大な負い目も感じていたらしい。
不慣れな朝飯作りから家事全般までを、一颯は学校生活の傍ら担うようになった。
ひとつ上の洋太に対しても、学校に行きたくないなら他の道もある、と親身になって探した。
家族でさえ、不登校という自分の状況をほぼ顧みない中、一颯だけが将来を心配してくれる。
事実上一颯のためだけに洋太は立ち直り、芸能の方向で頑張り始めた。
今までほとんど中学に通うことのなかった不登校児が、普通高校に通い人並みの青春を送ろうと願うには、中三半ばは時期的に遅過ぎた。
けれど洋太は芸能のスクールに合格はし、仕事ももらえるようになる。
数年後には品川家はかなり状況が上向いた。
洋太の母も、家事をかなりやれるまでに回復し、洋太の芸能活動も軌道に乗る。
二葉も少し前向きになり、通信制の高校生になった。
そして一颯は国立大の情報関係の学部に進学した。
洋太にとって、一颯に恋愛感情を抱かない事が、いかに不自然な事かは、なるほど理解できる。
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