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昨日の土曜日、ヨットは休むと連絡を入れておいた。でも今日、俺はその連絡を忘れたらしい。
昨日、いや、すでに今日だよな?
二十四時間やっているファミレスから、家に戻った覚えがないのにベッドの中にいた。
そこまで寒い季節は過ぎたはずだけれど、俺はこれでもか、と身体に毛布を巻きつけ震えていた。
ヨット不参加の連絡を入れていなかったから、向こうから電話がかかってきて、機械的に頭を下げ続けた。
来週は来るんだろ? という問いにどう答えたのかも覚えていない。
でも明日、会社だけはどうあっても行かなければならない。
月曜日は幹部会議がある。
気づけば日曜日も夜に近い時間になっていた。ゲートのインターフォンからチャイムが鳴った。
「一颯……」
ベッドから飛び起き、転びそうになりながらリビングのインターフォンの場所まで走る。
モニターに映ったのは、長年の友人のナツだった。
ヨットは土日欠席。
さっきの電話の受け答えも明らかにおかしかったはずだ。
俺はマンションエントランスの開錠ボタンを押す。
面倒だから玄関も開けておく。勝手に入ってくるだろう。
一番気を遣わなくてすむ人間だったことがまだありがたい。
……というか、そういう存在に何もかもをぶちまけなければ、自分ひとりで抱え込めそうにない。
「健司、何があったんだよーーえっ……」
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