◇◇村上健司◇◇ 友情

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案の定、ロックを外しておいた玄関から勝手に入ってきたナツは、俺を見ると言葉を呑み込んだ。 「え、って何?」 「いや、目が真っ赤ですごい顔。しかもその毛布にくるまってる状態、何?」  俺、服どうしたっけ?  脱いで寝たのかそのまま寝たのかも覚えていない。 自分を見下ろすと、上も下も肌着、その身体を毛布で巻いてリビングに出てきたらしい。 「とりあえず着替えてくるわ、そのへん、座ってて」 「おー。コーヒー貰うわ。バイクで来たから寒い」 葉山のヨットハーバーから直接来たのか。 ナツはバイク用の上着を脱ぎ、グローブを外し、それをソファに放ると、アイランド型のキッチンに入っていく。 デロンギは勝手にコーヒーを落としてくれるから、気の置けないやつが来た時は楽だ。 「お待たせ」  俺はベッドルームに落ちていたパーカーを被りジーンズを履いてリビングに戻った。 なんだか寒気がして、毛布をまとったままだ。 ミケとチャピがついてくる。 ミケとチャピに飯はやった。 それは覚えている。 「健司、どうしたんだよ。丸山さんが、健司がおかしいって心配してたぞ。話が噛み合ってないとか」
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