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「そうか……」
「お前、飯食ったの? 目は充血してるし、なんかげっそりしてんだけど。何があったのか知らねえけど、飯は食わないと」
「そういえば、今日食ってないのかも」
「え! もう夜だぞ?」
「そうか」
「俺なんか買ってくるか? いや、お前、宅配食取ってたよな? もうないの?」
ナツはアイランドカウンターの後ろにまわり、冷蔵庫を開けた。
「えっ! 何? 野菜がそこそこあるんだけど!」
昨日、一颯がカレーを作ってくれた残りの野菜がまだ入っている。
そういえば、一食分は冷蔵庫に保存しておくと言ってくれていた。
一緒にスーパーに行って一緒に飯を作り、一緒に片付けたのが遥か昔のことのように感じる。
「何? お前、いつの間に彼女できてたの? 珍しくここんとこ二年くらいいなかったよな?」
「いや、今もいない……」
「じゃ、これは何?」
器に移してラップをかけたカレーを、ナツは冷蔵庫から出して見入っている。
「夕凪ちゃんじゃないよな?」
「なんでそう思うのさ?」
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