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ナツは炊飯器に視線を移す。
「いや、今は、それは……食べられない。……とても。冷凍するわ。白飯はまだある」
「そっか。もう俺が作るわ。そこに座っとけ!」
「え……。できんのか?」
バーベキュー料理以外のものが。
「ちょっとはな」
それからナツは三十分くらいで炒飯を作って、俺の腰掛けるソファの前のテーブルにドン! と置いた。
一颯ほどの手際の良さはないけど、俺や夕凪よりは全然まともだ。
ふわふわの卵とイマイチ不恰好な野菜がふんだんに入っている。
「まず、食え!」
「い、いただきます」
一緒に持ってきてくれたスプーンで口に運ぶ。
「美味い……」
空きっ腹に染みるように醤油の風味と温かさが広がっていく。
「よかった」
「変わったな、ナツ。こんなことまでできるようになってるとは……」
「いや、お前のほうが変わったって。泣いただろ」
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