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「当たり? おもれー。しんせーん! お前、初恋に苦しむ十八歳だった俺になんて言ったか覚えてるか? 中坊見てるみたいで笑える、ってぬかしたぞ。余裕なさすぎ! って。まさに数年後の今、ブーメランなんだけど」
「いや、うん。そう、だったよな。……今回の自分の所業には、自分ですげーびっくりしてる」
「三時間の交際、って何? あの映画でよくある、服脱ぐのももどかしく抱き合いながらベッドにもつれ込む、みたいなやつをやってのけたわけ?」
「……なんでそこまでの推理ができんだよ」
「だって交際三時間でヤッた……じゃなくて、セックスで、その後事情により話し合って一旦保留だろ? そんくらいスピーディーじゃないと計算合わない」
「はあ……」
「いやもう全く余裕ないじゃん! あの映画みたいな展開、素でやるやついるんだなー!」
ナツは感心したように目玉をあさって方向に向ける。
「……それ、一颯にも言われたわ」
あの時の会話を思い出し、ぼそっと言葉が漏れた。
俺もナツの前だと取り繕う気が起きず、つい本音が出てしまう。
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