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「なんか……こんなに余裕ない健司初めてで超新鮮なんだけど。お前、いつもつき合う子には紳士的ってか、ちゃんと余裕もって大事に接してきたじゃん」
「……つまり今、俺は紳士的でもなく余裕もなく、大事にもできてないって事だな……」
「まあ、側から見る限り、少なくとも余裕はないだろ」
はっきり指摘しやがるな。慰めに来たんじゃないのかよ。
「どうしよう」
さらに深く毛布に顔を埋める。
「単純に今までとは比較にならないほど好き、って事なんじゃないの?」
「…………」
「いやー。今までのお前とのあまりのギャップに、俺のほうが超ドキドキするわ! 萌える!」
いや、絶対面白がってるって。
でもナツが来てくれて、いつもと同じ能天気なテンションで言いたいこと言ってくるのを見てると、死にそうだったメンタルが少し上向いた気がする。
俺、一颯を失ってもやっていけるかな。あ、だめだ、考えるとまた涙が出そうになる。
「なんか健司、これ懐かしいな。俺が最初の恋愛で、もうどうすりゃいいのかわかんない状態でお前んちに駆け込んだ時の、全くの逆バージョンだもん」
「そうだよなー」
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