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「品川って、買収がしつこいとか枝川が話してた品川ゼミナールの品川?」
「……そう」
「裏があるんだな?」
「ナツ、社長だし、知っててもらわないと、いけない事でもあるよな……」
「溜めとけないくらいいっぱいいっぱいなんだろ? 吐き出せよ。会社にも関係ある事なら仕方ない。プライベート部分はここだけの話にする」
「ありがと……」
俺はそこからぽつぽつと話し始めた。
プライベートに触れないわけにはいかない。でもCanalsに関係のある話にできるだけ絞った。
つもりだけれど、頭が混乱しているし、そもそもプライベートときっぱり分けるのは難しい。
キャリア採用で一颯が入社、再会した初恋の子は記憶喪失で俺のことを覚えていなかった。
入社は品川の差し金で、内部事情を探る目的のほかに、ハッキングで個人情報を流出させ、IPOを阻止、銀行融資を渋らせて困窮させ、買い叩く作戦だった。
その後の俺と一颯の動向も話した。
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