1483人が本棚に入れています
本棚に追加
「それは俺の役目じゃなくてお前の役目! ごちゃごちゃ考えすぎなんだよ。シンプルでいいだろ、両思いなんだからさ。問題が起こってから対処すればいいんだよ」
「……」
「ちょっと休め、健司。明日は幹部会議だぞ。そこでロサンゼルス支社のことは打診してみるから」
「ありがと」
一応の方向性がまとまり、俺があれこれ吐き出して落ち着いたと見たのか、ナツはそこで帰宅した。
最後にナツはニヤリと笑った。
「お前も初恋の子が最後の子になるんだよ」
ぼんやりと、そうかもしれない、と思う。
一颯と一緒に生きられなくても、一颯以上に好きになれる子に出会える気がしない。
一颯の歩んできた道のりを知れば知るほど想いが募っていった。
それは一颯が言っていた救済欲求なんかではない。
最初のコメントを投稿しよう!