◇◇村上健司◇◇ 邂逅

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「じゃあ、間違いない。もしかして……ってずっと思ってたんだけど、俺たち、小学校、五年、六年、同じクラスだった」 「え……? そんなはずない……」  そこまで言っても月城は俺に思い当たっていないようで、さらに打ちのめされる。しばらく思いをめぐらせてから月城は、口にした。 「村上くん、っていたような気がするかも。ごめんなさい。わたし、昔のことってあんまり覚えてないタイプなんですよ」  さっきまでとは打って変わった硬い表情で俺に会釈をし、駅の方に歩き出した。 心なしか足早だ。 月城の背中が俺を拒絶しているように感じた。 「え……」  頬の違和感にそこに手をやると、なんと涙が伝った後で、俺は腰を抜かしそうなほどぎょっとした。
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