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とはいえ、友達とも仲がよく、イベント事には張り切って出席するタイプだった月城が、ある時期からクラス会に姿を見せなくなったことが、どうにも引っかかった。
「この三人で決まりだろ?」
最終面接が終わり、他の社員が帰った後の社長室(ガラス張り)で、デスクに載ったPCの一角をナツが順に指差していく。
「そうだな。受け答えもしっかりしてたし、なんて言っても技術が上位三人と下位三人だとかなりの隔たりがあるもんな」
枝川も同意する。
篠谷宗吾、三十一歳。赤堀あやめ、二十九歳。そして月城一颯、二十六歳。
「この三人でいいか健司?」
ナツが、口数の少ない俺に視線を向ける。
「うん」
「大丈夫か健司。お前の部署だぞ? デジタル人材に力入れたいんだろ? そう要請してキャリア採用に踏み切ったの、お前だぞ」
「うん……」
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