◇◇村上健司◇◇ 邂逅2◇

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Canalsは、生徒と講師の相性診断にAIを使いたいと考えている。 その他にも使える場所には積極的に使っていきたい。AIをうまく駆使することがうちの会社の大きな方針だ。 そっち方面をまとめていくのがデジタル統括本部の俺の仕事なのだ。 月城に再会した時に、その場で採用通知を手渡したいくらい惹かれたのは俺で、今もその気持ちは変わっていない。認めたくないけれど、私情も挟んでいることは否めない。 今日の面接はほぼ月城のことで頭がいっぱいだった。 でもなぜだろう。何かを見落としているような気がしてならない。 絵柄も形もジャストで、ここに絶対はまると思い込んでいるジグゾーパズルがはまらない時のようなもどかしさが、脳の片隅で漂っている。 それが月城に関することなのかどうかもはっきりとはしない。 俺のことをほとんど覚えていなかったことがあまりにもショックで、まだそれを引きずっているのかもしれない。 ともあれ新規採用は月城を含めた(くだん)の三人に決まった。 俺の部署に決まった月城は、「スタバで会ったあの方が、憧れのCanalsの副社長だったなんて驚きました」と笑顔で挨拶に来た。 スタバ以前に出会っていることを忘れているのが、私情を差し引いても、あまりにも不自然だ。
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