◇◇村上健司◇◇ 邂逅2◇

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俺は一番近くにあったセーターとテーパードのパンツを手に取り、それに着替えた。私服に合わせた斜めがけカバンを手に家をでる。 集合場所は現地のボーリング場だ。 企画を担当してくれた直属の部下の若松が、男女比を考えて、二十八人を四人ずつのチームに分けてくれている。 俺のチームは入社三年目の男性、若松と、同じく入社三年目の本田さん、一年目の岡部さん、比較的若いチームだ。  若松がスマホのメモ機能を見ながら組んだチームを読み上げる。 「基本、男女二、二ですが、男性の方が多いので男性だけのチームがひとつできてしまいましたー! でもそれって、僕のところに出欠を伝えるのが遅かった順ですからあしからず。女性にはハンデが二十あたえられます」  そこで男性ばかりになった四人から、ふざけたブーイングが出る。 「それから三位までは景品が出ますので真剣勝負してください。一位はAmazonギフト券がひとりにつき二万円分です。二位が二千円、三位が千円です」 「なんだその香ばしい配分はー!」
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