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ここでも月城は率先して喜びまくり、指導した芹沼を持ち上げていた。
「副社長、さっきからどっち見てるんですか? 副社長の気合いが足りないから、中堅どころまで落ちてきちゃったじゃないすか、うちのチーム」
若松に横目で睨まれる。
「え! まじか。悪い」
「違います……。わたしが下手くそすぎて……」
岡部さんが近くに来て呟く。
そうだ、他のチームの心配をしている場合じゃなかった。うちのチームの女の子、本田さんはかなり上手い方だと思うけれど岡部さんが今ひとつ。
そしてそれをフォローしなければならない三人のうち、一番スコアが悪いのが俺だった。
半分過ぎたところで、最初のストライクからは一本スペアを取っただけだった。
隣のチームはもう大丈夫だ。
「本気出すぞー! 巻き返すぞー! 岡部さん見てろ、俺たち三人で取り返すからな!」
その後は俺も月城を見習って、岡部さんに投げ方の指導をしたりチーム内を盛り上げたりしながら自分も充分楽しんだ。
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