◇◇村上健司◇◇ 邂逅2◇

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まあ俺はまだ二十六だし結婚しているわけでもないし、入社一、二年目のやつらとそこまで感覚が違うこともない。 上司、しかも副社長なんて肩書の人間がいたら普通面倒だろうに、かなり強引に誘われることが単純に嬉しい。 こいつら、副社長って思ってないだろ? と(いぶか)しくも感じるが、嬉しいもんは嬉しい。 その日も二次会、三次会と続いた。次の日が休みとはいえ、女の子までオールの勢いだから、さすがに彼女たちには電車のある時間に帰ってもらう。 「副社長、男女差別―! 時代に逆行―! わたし達も行きたあーい」 「いや、そういうことじゃなくて、単純に女の子は危ないだろ? 社の飲み会の帰りに何かあったら大変だし。それは容認できない!」 「えー!」 「てか、遊ぶのはいいけど女の子は危機感を持つの! 社の飲み会じゃない時でも!」  俺はお前らの親か! と心の中で自分に突っ込む。  不平顔で帰っていく女性社員に、こっちには責任もあるんだよ、と愚痴りたくなる。 月城も、ほとんどの女性社員と一緒に二次会まできて、その後はまとまって帰って行った。 ボーリング場から降りた道路で目が合ってからも俺は、やっぱり月城に視線が流れてしまっていたと思う。 それでもその後は一度も目が合うことはなかった。 冷たい目で見られていたとか、そんなのは単なる思い過ごしだったんだろうか?
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