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「じゃ最後に」
次のプロジェクトの大まかな概略を伝え終わるとスクリーンが切り替わった。
「ビジネスにおけるインパクトについてだ。常にこれを意識して仕事をしてほしい。自分も楽しく、相手も楽しい。仕事は総花的であるべきで、その目標に近づく一助となれば嬉しい」
「え……」
巨大スクリーン上の切り替わった画像に、わたしは思わず声を漏らしてしまったらしい。長テーブルに腰掛ける隣の女子社員がちらりとこっちに視線を向ける。
スクリーンには、山の上に、長く裾を引く衣服を纏った巨大な女性が立っている映像が、映し出されていた。
「白衣観音、超巨大な観音像だ。子供の頃の家族旅行で、国道を車で走っている時に見た光景に仰天した。山の上に人が立っている。だけどサイズ感が明らかにおかしい。人間の形をしているけど人間じゃない! 恐怖にも似た好奇心が強烈に湧いたのを覚えている」
わたしはなぜだか急激に悪寒に見舞われた。
「旅行後に小学校で友達に喋りまくったのを覚えている。どうだ、この映像。子供だったら触れ回りたいくらいのインパクトがあるだろ?」
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