◇◇村上健司◇◇ 問題

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 寝床にまで仕事を持ち込むのはやめようと決めていながらも、チャピの頭を撫でながら、スマホで今日の業務で気になったところを確認――。 ビビビビビー。 「え……」 未来永劫、鳴るはずがないと思っていた警告音が俺のスマホから発された。 時刻は深夜一時。 でもそんなことに構っている余裕はなかった。 俺はまず同じデジタル統括の枝川のスマホ、それから代表取締役のナツのスマホに電話をかけた。 「どういうことだよ、健司」  オフィスの俺のデスクに駆けつけた枝川が、困惑の表情で聞いてくる。  パジャマにしているんだろう上下揃いのスエットの上から、ダウンジャケットを羽織っただけの姿だった。 それは俺も似たようなものだ。二人とも都内からタクシーで社に乗りつけた。 「まあ落ち着こうぜ。俺めっちゃ寒いわ。コーヒー飲みたい」 「そうだな、俺も」
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