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二人も勉強はしているから、細かく見れば不正にアクセスされたこと、防御できていることは理解できるはずだ。けれど誰がやったかはわからない。
「社内の人間じゃないよな? 社内のパソコンからじゃないんだろ?」
「そう。社員のパソコンにまで不正アクセスのソフトを入れると、業務フローが重くなる」
「だよな……。じゃあ社外の人間ってことか?」
ナツが聞く。
「社外のパソコンからアクセスされたことは間違いない」
「うちが狙われたのかな? それとも無作為にアクセスしてたらうちのに引っかかった?」
枝川が聞く。
「無作為にしちゃ、わりとピンポイントじゃないか? 確かにうちはまだ弱小ベンチャーだけど、今まで何度もM&Aで狙われてる。俺たちは必死すぎてその実感が薄いけど、加速度的急成長で、IPO(新規株式公開)できればそれも最短の部類だ。最近は雑誌の取材も増えてきた。目立つのかも知れない」
月城と最初に会った時にも、Canalsを知っていた。しかもめちゃくちゃ褒めていて、キャリア採用の第一候補だと話してくれた。
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