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「だけど、もし本当になんらかの意図があってうちの会社を狙ったんだとしたら、今後もそういうことが起こり得るかも知れないってことなんだよな? 健司」
ナツが聞く。
「少なくとも社外からのアクセスは無理だと今回のことでわかっただろう。やるならセキュリティソフトの入っていない社員のパソコンを使う必要がある。でもそうすれば誰のパソコンからアクセスしたかがすぐにわかるし、それも難しい。みんなパスワードかけてるからな」
「オフィスがガラス張りでよかった。侵入はかなり難易度が高いだろ。こんなとこで役に立つなんてな」
茶化すように枝川が薄く笑う。
今のところ大事に至っていないこと、社員ではなさそうなところが、ナツと枝川の気持ちを少し軽くしているようだ。
「当面、社員にはこのことを伝えるのはやめよう。あと明日、緊急に役員会を開いて役員には認識しててもらう」
「そうだな。早い方がいいよな。午前中だ。リモートでもいいから出られる時間をみんなに申告してもらおう」
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