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そして海外事業に力を入れるにあたり、ロサンゼルスに支社を置くことが決まっている。
その融資をしてもらうのに、早期のIPOは必要なことだ。もろもろ踏まえて最近、一気に社員を増やした。
社長のナツはじめ創業時のメンバーは、いくつもの部や仕事を兼任している。
副社長である俺は、社を挙げて絶対に力を入れたいAIを含むデジタル統括本部の本部長兼務だ。
高い給料を出してでも、優秀なデジタル人材を確保したいと考えている。
俺の秘書をしてくれている女の子、浅見さんの助言で、今日はその面接に合わせて髪を切りに行くことになっている。
一歳年下の浅見さんはセンスもよく、事業以外のことでも気が回る。
「集まるのは超優秀な人たちですよ? こっちがふんぞり返ってて入ってくれるような人材じゃないんです。高い給料、って言っても、外資系大手の優秀人材がもらってるほどは払えないんですから!」
「で、なんで俺が髪を切りに行くの?」
「副社長のイケメンを生かすためです。この人と働いてみたいと思わせるためです。できる男に見せるためです」
「普通にしててもそこそこ自信あるけど」
「念には念を」
「はいはい」
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