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そのうち何かに使われるかと思う。
デロンギのコーヒーメーカーが置いてあるのは、一応は男性用の方で、富士山水の給水タンクが置いてあるのが、一応女性用の方。
〝一応〟なのは、給湯スペースまでは誰でもどっちにも入れるようになっているからだ。給湯室への入り口が横にもあって入りやすく、カップを置くのもどちらに置いてもいい。
よく使う方に男女とも置いている。ロッカーに置いている人間もいる。
なんならマイカップ推奨のデロンギは使わないで、毎回金を払って自販機で買っているやつも中にはいて、まぁ自由だ。
二つの給湯室兼休憩室の雰囲気はデロンギのコーヒーメーカーがある方が、ニューヨーク風、で、富士山水の給水タンクがある方は密林をイメージしたものだそうだ。
なんでこんな意味不明な意匠になっているのかって、それは創設メンバーの中に建築学科出身の冨永がいるからだ。
ここの設計は俺がやりたいと息をまくから、みんなが「どうぞどうぞ好きにやってね、その代わりダサくはするなよ」になった結果、こういう銀色球体に見える妙な空間に仕上がった。
うちのオフィスの目玉だ。
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