喫茶ブルーローズ

3/9

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 2度目の引っ越しは、4年後。大学を卒業して就職したとき。  電車で1駅離れた、快速列車の止まる駅の近くに移った。 「引っ越しちゃうのねえ」  おばさまが、いつものコーヒーカップを私の目の前に置きながら言うので(いつの間にか、同じカップが私の定番になっていた。白と言うよりはクリーム色の地に、青い薔薇と小鳥の絵柄の)、すぐ近くですから、ちょくちょく歩いてきますよ、と応えた。そして、その言葉どおり、私は月に2回は、お店に足を運んだ。  おばさまとマスターは、以前と変わらずいつでも私を歓迎してくれた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加