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2度目の引っ越しは、4年後。大学を卒業して就職したとき。
電車で1駅離れた、快速列車の止まる駅の近くに移った。
「引っ越しちゃうのねえ」
おばさまが、いつものコーヒーカップを私の目の前に置きながら言うので(いつの間にか、同じカップが私の定番になっていた。白と言うよりはクリーム色の地に、青い薔薇と小鳥の絵柄の)、すぐ近くですから、ちょくちょく歩いてきますよ、と応えた。そして、その言葉どおり、私は月に2回は、お店に足を運んだ。
おばさまとマスターは、以前と変わらずいつでも私を歓迎してくれた。
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