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人類はかつて一種では無かった。
有名なネアンデルタール人の絶滅の原因の一つに言語があると言う。彼らの喉の仕組み、脳の構造、社会規模などで扱えるそれは我々の祖先のものには遠く及ばかかったらしい。
コミュニケーション能力とは大げさに言えば人類の存亡にまで関わるのだ。
そしてその最たる手段の言葉、それもまた時代と共に変化を続ける。
古の日本では一つの単語の中に様々な意味を持たせていたと授業で習った。
例えば竹取物語だ。竹は当時自立した女性、男性の求婚を断る若い女性をそう呼んでいたとか。竹取物語とは結婚を断る女性を取りに行く物語、そして当時女性に言い寄る男性を鳥と呼んだそうで、竹と鳥の物語と言う事らしい、さらには何不自由なく結婚する理由の無い女性を結婚させる事で自立を取って行くからだとも。
和歌なんかも暗号の塊みたいなもので制約された文字数の中に様々な意味がぎゅっと濃縮されている。
さすがに古代日本の察する文化は凄すぎるけれど、数世紀前にも『ヤベェ』『パネェ』なんて言葉が複数の意味を持った時代もあった。
そして現在の人類は極限まで言葉を進歩させたと言えるかもしれない。
高速言語と呼ばれる現在の言葉は昔の人からしたら音に乗せた擬音の様に聞こえるかもしれない。私達は日常それらでの会話を『話す』とは言わず『歌う』と称している。
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