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「あの、すみません。ここって夕食にその、昆虫とか出ますか?」
先程の会話から心配になった私は唐突に民宿の老婆に聞いてみた。
「あらあら、虫は苦手ですか? 大丈夫ですよ……もちろん食べたいって言って来るお客様もいますからそれなりにご用意はしてますが、お客様たちのようなお若いお客様に出すようなことはありませんよ」
私はほっとした。
「あら、よかったね。ユカリ。私はちょっと残念かなぁ」
「あら? じゃあ少しだけお出ししましょうか?」
老婆は残念がるハルナに声を掛けた。
「いやいや、この子が食事中に怖がったらいけないので」
ハルナは私を見て丁重に老婆に断りを入れた。
私たち三人はゆっくり温泉などに浸かり長旅の疲れを癒した。その後、食事は部屋ではなく奥にある部屋で取ることになっているらしい。三人で浴衣に着替え食事をする奥の部屋に向かった。
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