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俺のペット
俺の名前は朝日尚道、28歳独身ではあるが、これまで沢山の女を抱いてきた。
だが、大抵長く続くことは無く、結婚なんか考えたことも無い。
大体みんな俺の容姿と金が目当で、俺を興奮させるような面白い女は一人もいなかった。
そして今日もいつも通り残業して、一人寂しくコンビニでご飯を買って帰ってくる。
今のプロジェクトが終われば一段落ってところだが、それまでは22時より早く帰って来れる事はないだろうな…
今まで勤めていた会社を辞めて、父の会社を継ぐと決めてから忙しくて仕方ないけど、それもこれも俺の可愛いわんちゃんの為♡
さて、この時間だとうちのわんちゃんはもう寝ちゃってるかな?
寝顔を見るのも好きだけど、起きててくれたらもっと嬉しいなぁと、妄想を膨らませながら玄関の扉を開けた。
「ただいまぁ…」
部屋の中は真っ暗で静まり返っていて、これはもう寝てるな…とそぉっと寝室を覗いてみるとベットはもぬけの殻。
あれ?俺のわんちゃんがいない…!?
いつもなら大人しくお留守番してるはずなのに、今日なんかあったっけ…
忙しすぎてうちの子のスケジュールの把握ができてなかったのかもしれない。
何かめちゃくちゃ寂しいけど、暑苦しいスーツからスエットに着替えて、一人寂しく買ってきた弁当を食べる事にした。
つい半年くらい前まではこれが通常だったのに、今はあいつがいないと何もかもがつまらない。
弁当も食べ終わってソファーに体を預け目を閉じると、玄関の扉が開く音を敏感に察知して、俺のわんちゃんを出迎えた。
「おかえりぃ〜、どこ行ってたの?」
「は?今日ライブって言ったじゃん…聞いてなかったのかよぉ…」
「あぁ…ごめん。えっ!?てか何!?お酒飲んでるの!?」
「打ち上げとかあるのぉ〜。あぁ疲れたぁ〜。何か知らないけど今日新規のお客さんいっぱいいてさぁ?相手してて疲れたのぉ〜」
「何それ…女!?相手って何したんだよ…」
「飲んだだけだってぇ〜」
ライブだったのはわかった。
確かにそんな話聞いたような気もしなくも無い…
だけど打ち上げで女の相手するなんて聞いてないし、自分のなのか女のなのか香水の匂いぷんぷんさせて、俺も仕事で疲れてんのにちょっとイライラしてくる。
それなのに、俺の気も知らずに面倒くさそうに横目で睨みながら、着替えようとするからわんちゃんの腕を掴んで俺は着替えをすぐさま阻止した。
「んだよ…っ」
「何?この甘い匂い…」
「…っ、貰ったの。付けないとうるせぇから付けただけ…っ」
「へぇ…その女の好みの匂いつけて帰ってくるとか上等じゃん?めぐちゃん?」
「なっ、その名前で呼ぶなよっ!」
うちのわんちゃんの本名、田中恵。
別に俺はいい名前だと思ってるんだけど、彼は本名で呼ばれるのが大嫌いらしい。
なので俺らの間でも基本、本名は禁止されているので、もっぱらバンドで使ってる名前で呼んでいる。
まぁ、最初の出会いからそうだったから、今更本名で呼ぶなんて事はよっぽどの事がない限りしないけどね。
「家なんだから良いだろ?」
「嫌だ…っ!」
ライブ終わりだけあって何時もより髪型は派手だし、見た目はやんちゃそのものだけど、本当は気の弱い臆病で可愛い子なんだよね…
「ライブ楽しかった?瑠依くん?」
「うん…楽しかった…」
「俺とライブ…どっちのが興奮する…?」
「…っ、それは――んぁ…っ」
酔ってるせいなのか俺が瑠依のソレを握ったせいなのか、瑠依は顔を真っ赤にして俺にしがみついた。
「ピッタピタのパンツ…はち切れそうだけど?」
「お前が…っ、ん…ぅ…っ」
「俺も今日仕事疲れたなぁ…明日休みだしさ?良いよな?瑠依…」
欲望に従順な瑠依は俺からの刺激に耐えられなかったのか、大人しく俺からの要求を飲み込み、自らベットに沈み込んだ。
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