日本の子守歌

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日本の子守歌

 徹子は長男の正雄を寝かしつけながら子守歌を歌う。 「ね~んねんころ~りよ・・・」  色々な歌を試したが、長男はこの歌が一番早く寝ついてくれる。  西洋の子守歌は穏やかな長調の曲なのに、日本の子守歌はなぜ、こんなに寂しそうなのだろう。  歌詞の意味を考えると、日本の子守歌は、幼い子供が赤ちゃんの子守をしている曲が多いからなのだろうか。  西洋の子守歌は母親と赤ちゃんが登場人物だが、日本の子守歌は子供の子守と赤ちゃんが登場人物で、親は近くにいない感じだ。  一番だけでは寝てくれないので知っている所まではうろ覚えの歌詞で歌うのだが、後は繰り返して適当に歌いながら、自分の体を揺らしながら正雄も揺れるようにする。  ベビーベッドに置く瞬間が一番起きてしまう時なので、寝付いた。と思うと、そうっとベッドに正雄を横たえ、頭の下の手を抜く前にタオルケットをそっとかける。  この一枚がないとフッと目を覚まし泣き出すのだ。  タオルケットがあると、まだ徹子と密着している感じになるのだろうか。  うまく寝ついてくれることが多い。  
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