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◎このクマのぬいぐるみは御子柴ホールディングス最新・最上級のAI技術が採用されている
◎前足のボタンを押すと動いたり話したりする
◎陸にとって心強い相棒となる
◎何があっても御子柴家を含む他の人間に渡してはいけない
◎故障した時は御子柴ホールディングスが所有・運営する「こもれびクリニック」を頼ること
紙の記載通り、陸はぬいぐるみの前足にあった小さなボタンを押した。モーターのような動作音が鳴る。クマのぬいぐるみが小刻みに震えだした。その動きは命が吹き込まれたかのように見えた。唖然として見ていると、クマがゆっくりと顔を陸に向けた。ひとりでに動いている。ぎこちない動きが却って怖い。陸は驚きのあまり後ずさった。
「……アニキ」
「……は?」
「アニキ。俺を呼んでくれてありがとう」相変わらず愛想のない顔で礼を言うその姿は何ともシュールだ。
「え……いや、待て待て。俺は呼んでないぞ」
「アニキー」クマのぬいぐるみは陸に抱擁を求めてきた。短い後ろ足で器用に立ち上がる。
「いや……ちょっ、何だよこのクマ」陸はどうしていいか分からずに、クマと距離を置こうとする。
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