14.まどろみ

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新居に大きなベッドが入るように、家具の配置を考える。一緒にインテリアショップに行って決めたキングサイズのベッドは、ヘッドボードがエッジの利いたデザインでおしゃれな木目調のフレーム。あの大きなベッドが届いたら、穂高さんといっぱいイチャイチャでき…… はっ! 私ったらまた何を想像したの。 よくわからないけれど、穂高さんを好きになってから、私はちょっと変だ。いつだって穂高さんの側にいたいし、いつだって触れていたいくらい愛おしい。彼とこの先もずっと一緒にいられることの幸せを噛みしめている。 「ベッドが届くの楽しみですね。早く寝たいです」 「早く寝たい?」 「……はっ! そういう意味じゃないですよ?」 「俺は何も言ってないよ」 穂高さんは可笑しそうにくすくす笑う。 違う、ふかふかのお布団で広々と寝たいって意味なのに……とわたわた言い訳を考えていると、「俺は毎日でもいいよ」と腰を引き寄せられた。 「……私も毎日一緒に寝たいですけど」 「どういう意味で言ってる?」 「そのままの意味です!」 「俺はあんなことやそんなことも想像しました」 ど、どんなこと――! ボンッと頭が爆発した。まったくもって脳内の処理が追いつかない。たぶん私の頭がおかしいんだと思う。ちょっと落ち着きたい。けれど、きっと穂高さんも私を揶揄っている。肩を震わせてくくっと笑っているから。 「もう、穂高さん~」 「ごめんごめん。でも、莉子といると毎日が楽しい」 そうニコッと笑ってくれるから、ちょっとくらい揶揄われたって簡単に許せてしまう。私だって穂高さんといると毎日が楽しい。こんな風に心が穏やかでいられるなんて、今までの生活では考えられなかったこと。日を追うごとに結婚したことをじわじわと実感している。なんて幸せな毎日だろう。
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