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「僕、身寄りがないんです」
城がなくなり身寄りがなくなった。
王女にとってあながち嘘ではない。
「そっか。
辛いこと話させてごめんね」
ダークな面にふれてしまったと女性は後悔した。
「大丈夫です。
謝らないで下さい……」
気遣う女性に王女は申し訳なくなった。
「暗い顔しないで。
行こう、ね?」
暗い表情を浮かべる王女を女性は励ましているようだ。
「はい!」
女性の優しさにどことなく王女は懐かしさを感じていた。
***
「号外~
号外~」
暫く歩くと情報屋が号外新聞を配っていた。
「あら?
何かしら?
え?」
新聞を受け取り内容を見て女性は小刻みに震えだした。
「どうしたんですか?」
小刻みに震える女性を王女はじっと見る。
「王国が襲撃にあったって。
お城は壊滅しちゃったみたい」
悔しそうに女性は新聞をぐしゃりと握り潰した。
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