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「承知。
こちらの書類書くだけで結構です」
切り替えの早い受付の男はピラッと一枚の紙を王女に差し出した。
「それだけですか?」
あまりにも簡単な手続きに王女は疑心暗鬼のようだ。
「それだけです」
受付の男は王女にきっぱりといい放つ。
「名前……」
暫し、悩む王女。
「登録用です。
本名でも偽名でも構いません。
あとから変更してもいいです」
受付の男は悩む王女を見かねてアドバイスをする。
「ごんべい?」
王女の書類を覗き男は首を傾げた。
そして『本名だったら割とショックだ』と思った。
「取り敢えずです」
男が妙な事を思っていると悟った王女は補足する。
「変なの」
取り敢えずにしてはナンセンスなネーミングに男はちょっと呆れている。
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