☆伝説の祠

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「考えてみろよ。 実際に祠があって願いを叶えた者がいたらがめつい奴らがうじゃうじゃ祠目指してるはずだ。 だが実際はみんな疑心暗鬼で目指そうとしてない。 中にはこの話を信じて祠を探している少数派もいるらしいがな」 手をヒラヒラさせながら男は言う。 「信じる事はがめつい事ですか?」 男の言葉に王女は少しムッとしたようだ。 「あ、いや。 言葉が悪かったな。 夢物語では生きていけない。 生きていくためには現実的にならなきゃあたけないって話さ」 王女の表情と言葉にハッとした男は取り繕っているようだ。 「僕は信じたい……」 少しの望みでもかけてみたい。 王女は強くそう思っている。 「ふむ。 本気で叶えたいことあるなら本気で探せばいい。 それを夢物語とバカにする奴いたら相手にしなきゃいい」 真剣な王女の表情に男は感化されている。 「相反すること言ってませんか?」 男の言葉に王女は不満を漏らす。 「俺は全否定してない。 俺も信じたいから祠の話したんだ。 変な話だけど君を見ていたらふとこの話思い出してさ。 話したくなったんだ。 俺にもよくわからないんだ」 自分でもわからない。 何とかく王女にこの話をしなきゃいきさかない気持ちになっていた。 男はポリポリと頬をかいた。 「(……お父様の力かしら。 祠の話してたし……)」 膨大な魔力を持つ父なら人の心に語りかける事も可能ではないかと王女は思っているようだ。 「祠探そうとしてる?」 ぼんやりしている王女に男は問う。 「え?」 男に心を見透かされたような気がして王女は目を見開いた。 「いや、そんな顔していたから……」 思った以上に王女が驚いた顔をして男は少し困惑している。 「今の僕には行く宛がありません。 だったら祠探しをしようかなと思ってました」 鋭い男の洞察力に王女はドキマギしている。 「行くならギルド通した方が特だぜ。 な?」 男はさりげなくバトンを受付の男に渡す。
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