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「受けます!」
力強く王女は返事をする。
「そうですか。
ではこちらにサインを……」
受付の男は淡々と事務処理を始めた。
「どうして僕にこの話を?」
唐突に伝説の祠の話をされ王女は疑問に思っていた。
「興味持つかなって思ってさ」
何故か男はにっこり笑う。
「そうですか」
意味深な笑みを浮かべる男を王女は不思議に思う。
「わけありさんみたいだからな」
いきなり出逢った不思議な王女に男は興味を持ってしまったようだ。
「これ」
王女は思い出したかのようにゴソゴソとポケットから何かを取り出した。
「あ、鍵」
王女の手の中には先程男が渡した合鍵があつわた。
「ありがとうございました」
深々と頭を下げて王女はお礼を言う。
「返してくれるとは律儀だな」
王女の華奢で小さな手から男は鍵を受け取った。
「当然です。
再開できなかったらどうしょうと思ってましたけど……」
王女は頭をポリポリとかく。
「そっか」
鍵をしまいながら男は王女をじっと見ている。
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