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二人が過ぎ去り、受付の男は何事もなかったかのように受付業務に専念していた。
「ねぇ、アレス」
そんな受付の男……アレスに一人の女性が話しかけてきた。
「あ、ギルマス!」
アレスが顔をあげるとそこにはギルドマスターが立っていた。
「あの子、伝説の祠目指すの?」
話を聞いていたのかギルドマスターはアレスに尋ねた。
「はい」
アレスはコクリと頷く。
「そう。
あの子には過酷な道になるわね……」
意味深な言葉を言うギルドマスター。
「そうですね……」
受付であるアレスは知っていた。
伝説の祠を探しを請け負った人たちの末路を……。
「アレスはあの子どう思う?」
唐突にギルドマスターはアレスに質問する。
「何だか人ではないあたたかなオーラを感じます。
まるで天使のような……。
あくまでも私一個人の意見です」
眼鏡をくいくいっとあげながらアレスは答えた。
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